二度目の片思い
「そんじゃ、明日から大会に出場する野球部。代表で……越田! 前に出て意気込み聞かせろ」
高校3年時の、とある帰りのショートホームルームの時間。
突然の担任の無茶振りに、えーっと不満をもらしながらも、俺はしぶしぶ教壇の上に立った。
「あーっと、野球部の越田です。えー、打ったら走ります! 応援よろしく! 以上!」
「はあーっ?! 和晴それだけ?!」
「もっとこう、なんか良いこと言えよ~」
笑い混じりのブーイングを背中に受けながら自分の席に戻ると、当時俺のちょっとした席替え用くじ工作で後ろの席だった彼女も、くすくすと笑っていた。
「なんだよ藤咲、おまえもブーイングかよ」
「ふふっ、だって越田くん、あれは短すぎるよ」
「いーんだよ俺は。一球入魂、一言入魂」
「ええっ、なにそれ~」
そう言って彼女は、口元に手をあてながら本当に楽しそうに笑う。
そして一通り笑いがおさまったらしい藤咲が、またツンツンと俺の肩をつついてきた。
高校3年時の、とある帰りのショートホームルームの時間。
突然の担任の無茶振りに、えーっと不満をもらしながらも、俺はしぶしぶ教壇の上に立った。
「あーっと、野球部の越田です。えー、打ったら走ります! 応援よろしく! 以上!」
「はあーっ?! 和晴それだけ?!」
「もっとこう、なんか良いこと言えよ~」
笑い混じりのブーイングを背中に受けながら自分の席に戻ると、当時俺のちょっとした席替え用くじ工作で後ろの席だった彼女も、くすくすと笑っていた。
「なんだよ藤咲、おまえもブーイングかよ」
「ふふっ、だって越田くん、あれは短すぎるよ」
「いーんだよ俺は。一球入魂、一言入魂」
「ええっ、なにそれ~」
そう言って彼女は、口元に手をあてながら本当に楽しそうに笑う。
そして一通り笑いがおさまったらしい藤咲が、またツンツンと俺の肩をつついてきた。