ピエモンテの風に抱かれて
「キャアーー! リューウーー!!」
耳を貫く黄色い歓声。一斉に構えられたカメラのフラッシュに目がくらむ。
− 眩し…ぃっ!! −
しかしそうさせたのは、その光だけではなかった。
龍が −、
何と表現して良いか分からないほどのオーラを放った彼の存在自体が…、
今まで見てきた誰よりも、光り輝いていたのだ。
ネットやテレビで龍の成長ぶりは知っていた。それなのに、間近で見る彼に昔の面影は全くなかった。
− うそよ、うそでしょ…… −
自分の知っている彼は、もうこの世にはいないと確信してしまった瞬間だった。