片恋綴
「あ、そういえば、浩輔君がちょっと嫉妬してましたよ」

トリートメントに訪れた千歳さんが不意にそんなことを言った。僕はその言葉に目を丸くする。

「え?」

思わずブローをする手を止めてしまい、慌てて戻した。

「琴子ちゃんの幼馴染みがかっこいい、て」

──なんか、ちょっと優越感。

僕は緩みそうになる口許を必死に堪えた。

「ただの幼馴染みだから安心して、て伝えて下さい」

僕はにっこりと笑いながら言う。それくらい、許されてもいいと思う。

自分がすっきりしたいなんていう理由で、彼氏がいる相手に告白したりはしないのだから。これくらいの小さな意地悪くらいはしてもいいだろう。

そして、僕なんかに嫉妬するくらい琴子を想ってくれていることは嬉しい。



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