鞠香の楽園
どうやら騒いでるA級の人は柳瀬ってやつだけみたいだ。他にA級はいないのだろうか。
まあ新入生はたくさんいて 全員同じ授業を一気に受けれるわけは無いので いないだけだろうけど。

「物を浮かせる魔法……鞠香なら簡単だよな」

輝に言われる。

「え うん……」

簡単に机の上にあったシャーペンを浮かして見せた。
これならワンド無しにもできる。
ワンドは30センチぐらいの杖で 力を一定の場所に集めるもので 大きな魔法を使う時以外なら無くても問題はない。

「千由は苦労してんなー」

千由をみた。千由はワンドをもって うーうー唸りながらやってる。まあ仕方ないけど……。やっと少し浮かせたかと思ったらすぐに落とす。の繰り返しだ。
隣にいる美也も そこまで苦労はしてないくど何とか浮かしてる感じだ。
それを見れば 2人の階級が良くわかる。

「輝はできるの?」

2人の様子をニヤニヤしながら見てる輝に言い放つ。すると輝も鞠香と同じ様に簡単に消しゴムを持ち上げた。

「……!」

それを簡単にふわふわさせる。
と言うことは階級はB級以上……と言うこと。て言うか もしかして……。
と 確信につきかけたときだった。学園中に鐘の音が鳴り響く。

「おっと。それでは授業は終わります。この魔法は階級が低くとも 慣れれば簡単に成し遂げれますので 次の授業までに練習しておいてください」

そういって教室から出て行った。
そうだよね。練習さえすれば これぐらいB級でもできるようになる……か。
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