あなたのギャップにやられています

よくわからないまま改札を出ようとすると、彼はきちんと定期の区間外のお金を支払っている。


「えっと、なんかごめん」


ここでいいなんていったら、訳もわからず叱られそうな気がして、私は彼の言うことに従うことにした。


「この道、暗いですね」

「えっ、そうね」

「まさか、こんな道をいつもひとりで歩いてるんですか?」

「えぇ、まぁ……」


ものすごく威圧的な木崎君は、「チッ」と舌打ちをする。


「まったく、もっと早く気付くべきだった。
冴子さん、もっと明るいところに引っ越したからどうですか?」

「えっ? まぁ」


なんだか今日は調子が狂う。
いつもの甘ったれ木崎君はどこ?


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