あなたのギャップにやられています
「冴子はブラックだよな」
「うん。ありがと」
寒くてコーヒーカップで手を温めていると、それを丸ごと包み込むように彼の手が伸びてくる。
「ごめんな。冷えたな」
「ううん。連れてってくれてありがとう」
「こっち、おいで?」
そのまま私の手を取った彼は、ヒーターの前のカーペットの上に座る。
「ほら、おいで」
自分の足をトントンと叩いて私を促す彼に驚きながら、一緒に温まりたいなんて気持ちになっている自分に気が付いた。
私が勇気を出して大きく開いた彼の足の間に座ると、彼がぴったりくっついてくる。
「こうすると、温かい」
「そうだろ」
目の前のヒーターの炎の音だけが耳に響く。
ゆっくりコーヒーを飲み干す頃には、すっかり体がポカポカになっていた。