あなたのギャップにやられています
会社に帰ると、営業の可知さんが酷く不機嫌な顔をして、刷りなおしたというサンプルを投げるように私たちに差し出した。
「これで文句はないだろ」
「はい」
それは、雅斗が描いた通りの色使いに仕上がっている。
雅斗は私だけにわかるように、親指をあげて見せた。
充実していた。
雅斗と一緒に仕事をしていると、本当に大切なことがわかる気がする。
仕事の大小にこだわらず、常に全力で取り組む姿勢。
一旦受けた仕事は、決して妥協しない強い意志。
一見、他人の意見に左右されてしまいそうな柔らかな雰囲気を醸し出している癖に、本当は自分の意見をきちんと持っていて、決して曲げない男。
それは、やっぱり雅斗の中の芸術家の血のせいなのかも。