あなたのギャップにやられています
工場から帰る足取りは、すごく軽かった。
それはきっと雅斗も同じだ。
「冴子、ありがとう」
「なに言ってんの」
だって、大好きなあなたのデザインが商品になるのを一番望んでいるのは、私なんだもん。
それに、私も少しは役に立てたかな?
「やっぱり俺、冴子が必要だ」
「えっ?」
「俺ひとりじゃ、なんにもできない」
そんなことない。
たまたま今回は私が気がついたけれど、きっと雅斗だって。
「キスもね」
「はっ……」
他には誰も乗っていない会社のエレベーターで、突然私の腕を引っ張ってキスを落とす。
ほんの少しだけ降れた唇。
だけど彼は、最後に私の唇をペロッと舐めた。