あなたのギャップにやられています

「ち、ちょっと!」


誰も見ていないとはいえ、こんなところで。
無駄にドキドキするから止めてよ。


雅斗は、きっと顔を真っ赤にした私の顔をわざと覗きこんで言うんだ。


「あれ、冴子さんどうかしました?」

「もう!」


思いっきり足を踏んづけてやると、彼は大袈裟に痛がってみせた。




それから残業が続いた。

工場から送られてきたデザインのサンプルは、私も雅斗も唸るほどの出来で、私たちのイメージ通りに仕上がっていた。

きっと工場長がすごく頑張ってくれたのだ。


コストもクリアしたその商品に、あのヘビ男も黙るしかなくなって、ずっと静観していた戸塚部長も「やったな」と誉めてくれた。

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