あなたのギャップにやられています

すれ違う人達が、チラチラと百合ちゃんを好奇の目で見ていく。
だけど、百合ちゃんはそんなこと少しも気にしていない様子だ。

マスターが言っていた通り、百合ちゃんは自分の立ち位置をきちんと理解していて、自分を受け入れているのだと思う。


「冴ちゃん、私と歩くなんて度胸あるわねー」


リアンを出たとき、百合ちゃんはそう言った。
だけど、百合ちゃんは友達だもの。


「私、こっち」

「それじゃ、ここで」


私が小さく頭を下げて反対のホームへ向かおうとしたとき、驚くような強さで腕を引かれてよろめいた。


「ちょっと、冴ちゃん」

「えっ……はい」


やっぱり力は男の人だ。

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