あなたのギャップにやられています

柔らかい。マシュマロみたい。
そういえばキスなんて、何年ぶりだろ……。

あまりにあっけにとられると、余計なことしか考えられなくなるらしい。


「冴子、かわいい。真っ赤じゃん」


ゆっくり離れていった木崎君は私をもう一度抱き寄せると、耳元でそうささやく。


はっ、私……木崎君とキス?
どうして、こんなことに、なってるの?


「ちょっと!」


急に冷静になった私。
この歳になって、キスひとつでとろけそうになってしまっているなんて、どんだけ恋愛経験が足りないのだろう。


「な、なんでキスなんて?」

「なんでって。好きな人とはキスしたいでしょ? 俺はその先もしたいけど」

「その先??」


思わず出た大きな声。
慌てて口を手でふさぐと、木崎君がクスクス笑っている。


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