あなたのギャップにやられています
「とりあえず、キスしよ?」
と、とりあえず??
近づいてくる彼の整った顔。
この人、近くで見ると睫毛がすこぶる長い。
肌もプルプルだし、美味しそう……って、そんなこと考えている場合じゃないし。
「ちょっと、待った!」
あと数センチのところで彼の胸を押し返すと、不満そうな顔で私を見つめる。
「冴子って、キスの時目を開ける主義?」
「ち、違うし」
「じゃあ、つぶってよ? あんまり見つめられると照れるし」
そういう問題なの?
私の腰を抱いたままそう言う木崎君は、もう一度トライしようとする。
あ……。
全力で彼の体を押したけれど、全然びくともしなくて、あっけなく私の唇に彼の唇が重なった。