あなたのギャップにやられています
眠れない夜ほど辛いものはない。
だけど、隣で私を抱き締め続けてくれる雅斗がいるからすごく救われる。
目を閉じたってイヤなことを忘れられる訳じゃない。
むしろ思い出してしまう。
すっかり打ちのめされている。
強いつもりだったけれど、全然そんなことないや。
「んーっ」
部長に異動を告げられた瞬間を思い出して、思わず声が出てしまう。
辛くて雅斗にしがみつくと、彼は私より強い力で抱きしめかえしてくれた。
きっと起きているのだ。
あはは。
辛い。相当辛い。
自分を無理矢理納得させたはずだったけど、そんなに簡単じゃないや。
だって、今まで働いてきたことを全否定されたんだもん。
「冴子、ごめんな」
小さな声でそう囁いた雅斗は、はーっと大きなため息を漏らす。
そんな雅斗に一層しがみつくと、彼は私の額に優しいキスを落とした。