あなたのギャップにやられています
最後にデスクの引き出しの私物を段ボールに積めると、部長のデスクに向かう。
「部長、お世話になりました」
「冴子、本当にすまない」
「いえ、私……今度戻ってくるときは、胸を張って戻ってきます」
「もちろんだ。待ってる」
私はきっと戻ってくる。
だって、この仕事が大好きだから。
「経理に挨拶に行ってきます」
段ボールを持ってフロアを出ようとすると、「冴子お疲れー」と皆が声をかけてくれて、振り向くことができなかった。
自分たちがデザインを生み出すから会社が成り立っているとプライドの高い先輩たちは、他の部のことはあまり良くは言わないけれど、私のことを認めていてくれたのだと感じた。
人にはそれぞれ役割があるのかもしれない。
他の皆はデザインで、私は縁の下の力持ち。
そんな状態にため息を吐きまくっていたけれど、今となってはそういう場所があったことに感謝している。