あなたのギャップにやられています
「百合ちゃん、来てないですね」
「あはは、百合ちゃんに会いに来たのか?
来てるよ。今、お手洗い」
そっか、お手洗いか。
えぇっと、どっちに入るの?
工事してないって言ってたから、男の方だよね。
「木崎さん、今日はなんの肉にする?」
「あはは」
私に肉以外の選択はさせてくれないらしい。
まぁ、肉食べたいけどさ。
他の物を食べたいと思わないけどさ。
「あー、ビーフシチュー美味しそう」
これなら野菜も食べられるし。
いつの間にか野菜を気にするようになっているのは、雅斗のおかげだ。
「了解。ちょっと待ってね」
すぐに厨房に入っていったマスターと入れかえに、百合ちゃんの気配がした。
無駄にでかいしね、彼。いや、彼女。
「冴ちゃんじゃないの! 雅斗君は?」
でっかい声で私の名前を呼んだ百合ちゃんは、私のことなんてどうでもいいらしく、キョロキョロ雅斗を探している。