あなたのギャップにやられています
「今日はひとりなの」
「だってあなた達おんなじ仕事してるんじゃないの?」
「うん、それがね……私クビになっちゃって」
「クビ!」
リアンのお客さんの視線を一瞬にして集めた百合ちゃんの声は、耳にキンキン響いた。
「ちょっと、声大きいよ」
「ごめん。でもクビって……」
「会社にはいるんだけどね……」
私は起こったことの一部始終を百合ちゃんに話した。
もちろんゴリラのことも。
「はい、ビーフシチュー、お待たせ。木崎さん、クビって?」
どうも百合ちゃんの声が厨房にまで聞こえていたらしく、マスターにも掻い摘んで事の次第を話した。
その間、百合ちゃんは明らかに不機嫌モードで、テーブルに指をカチカチぶつけて落ち着きがない。
あはは。百合ちゃん怒ってる?
今のあなた、すんごい怖いから、ね。