あなたのギャップにやられています

月曜から雅斗は、戸塚部長と一緒に、梶田さんの所に出張することになっていた

会社のエレベーターで雅斗と別れた私は、ダッシュで経理に走り込み、雅斗がデザイン部に入る前に内線をかけた。
彼に知られないように。


「お呼び出しして、すみません」


始業前、私は非常階段で戸塚部長と会っていた。


「どうした、冴子。なにか困ったことでも?」

「いえ。いや、困ってます。えーっと、なんと言ったらいいのか、お願いが」

「珍しくテンパってるな」


それから私の話を黙って聞いてくれた部長は、相変わらず大人の男。
こんな男に愛されたら幸せだろうなと、ちょっと思う。


「そうか、わかった」

「本当ですか?」

「冴子はよく働いてくれたし、俺としても冴子の意見に賛成だからな。ひと肌脱ごう」

「ありがとうございます!」


戸塚部長は「それにしてもそうだったのか」なんてクスッと笑いながら、デザイン部に戻っていった。

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