あなたのギャップにやられています

これ、パソコンのない時代だったら、完全にノイローゼだわ、私。


「はぁー」


最後の入力を終えると、ついオヤジくさい溜息が出てしまって慌てて口を押える。
ここは家じゃなかった、まずい。

一応、会社での顔ってやつがあるのよね。
雅斗ほどの違いはないけれど。

ちょっと仕事のできる女を装ってみるけれど、まぁ、所詮は飛ばされた人間なわけだし。
まぁ、取り繕っても仕方ないか。


「木崎さん、終わったんですか? 今日、食事にでも……」

「すみません、急ぎますので。お疲れ様でした」


奥田さんの誘いはこれで何度目だろう。
ずっと断っているんだから、そろそろ気がついてよ。


いつもはやんわり話をはぐらかしてきたけれど、今日はそんな余裕もなく、ちょっと冷たい態度だったと反省……しなくていいか。

ずっと曖昧な態度も良くないし。

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