あなたのギャップにやられています

「なにしてやがる!」

すごい怖い顔をして近づいてきた百合ちゃんを見て、「チッ」と舌打ちした男達は、一目散に逃げていった。


「冴ちゃん!」


私の名前を口にした百合ちゃんは、もういつもの彼女? だった。


百合ちゃんに恐れをなして逃げていったんだからね、あの人達。


「百合ちゃん、ありがとう」

「誰が絡まれてるかと思ったら、冴ちゃんなんだもん。もう、私、必死で」


そうは言うけれど、ものすごく素に見えたのは気のせいでしょうか?

私……気がつくと、ガタガタ震えている。
わりと冷静にどうしようか考えていたつもりだったけれど、相当なダメージだったようだ。


「冴ちゃん、無事でよかったわ」


ガッシリ私に抱きついてきた百合ちゃんから、爽やかな香水の匂いがする。

でもね、もう少し力をゆるめていただけると……。

雅斗の何倍もの力で抱き締められて、骨が砕けるかと思った私は、「ありがとう」ともう一度お礼を言ってそっと離れた。

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