あなたのギャップにやられています

きっとデザインを四六時中考えていた木崎君は、もっと疲れているに違いない。

私は会社の中でだけ、仕事に没頭していればよかったけれど、彼は家に帰った後もデザイン画を描いていたと思う。
次の朝、修正されたデザイン画がデスクに置かれていることが何度もあったから。


「ん?」


うとうとし始めたその時、なにかの温もりに包まれた気がしてそっと目を開けると……。


「わっ! なに?」

「なに? じゃない。待ってるのに、なにやってんだよ?」


あきれ顔の木崎君は、大きなため息をつきながらブランケットごと私を抱き上げる。
しかも軽々と。


どこにそんな力があるの?

見た目は華奢で、いつも鉛筆を握っている彼は、箸より重いものを持たない位のイメージがあったのに。

まさに隠れマッチョだ。


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