あなたのギャップにやられています
「ごめん」
「ホントだよ。それでひとりで家にこもってると、冴子の裸を想像しながら色々しちゃうだろ?
だから、よく来るようになったわけ」
「はっ?」
「ほら、俺も男の子だし。わっ、危ね」
しまった。小突いてやろうと思ったのに、うまくかわされてしまった。
私のチョップを避けようとして草の上に寝そべった雅斗に乗っかる。
「マウントポジションいただき」
「別の名を騎乗……んー」
慌てて口を塞ぐと、クスクス笑っている。
こうしてくだらないことを言い合える時間は、どうして続かないのだろう。
別に、特別なことを望んているわけではない。
だけど、それすら犠牲にしなければ、夢をつかむことができないのだ。
「雅斗」
「ん?」
「キス、していい?」
私は雅斗の返事を聞く前に、雅斗の唇に自分の唇を重ねた。