あなたのギャップにやられています

「ゆっくり考えてくれても」と言ってくれた堀川さんに、「お世話になります」と返事をした私は、うきうきした気分でリアンに向かった。

もちろん、百合ちゃんがいることをメールで確認してから。


「マスター!」

「おぉ、木崎さん。いらっしゃい」

「ありがとう、マスター」

「いきなりなんだい?」

「なにって……サイコー!」

「ちょっと、冴。日本語の勉強を先にしなさいよね」


カウンター席にいた百合ちゃんは、かみ合わない会話に呆れた顔をして私を見つめる。

そんなにじっと見られても、残念ながらドキッとはしないから。


「マスターのおかげで、私、進む道を見つけたの」

「だから、冴。わかるように説明しなさいってば」

「ここで雅斗の絵を買った人がね……」


そう。さっきの絵は紛れもなく、雅斗の描いたあの丘の絵だった。

そして、堀川さんが絵を購入したというカフェレストランは、リアンなのだ。

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