あなたのギャップにやられています
コンクールには二枚応募することになった。
冴子の裸体と、イギリスに来てから手掛けた風景画だ。
日本で気に入っていた丘に似た場所を見つけた俺は、どうしてもその場所を絵にしたかった。
星の届きそうな、丘を。
そして、新人画家の登竜門だといわれるコンクールで、そのうちの一枚の風景画が賞を受賞した。
快挙だった。
実際のところ、イギリスに来てたった半年で、こんなに大きな賞を手にできるなんて、少しも思っていなかった。
全く名のない俺が認められることなんて、絶対にないと思っていたのだ。
受賞の報告をアトリエで聞いた後、すぐにその丘に足を向けた。
「冴子、俺……やったよ。冴子が信じてくれたから、俺……」
恥ずかしいけど、涙が溢れた。
一度は諦めようと思った絵の道。
だけど、たったひとりの理解者が現れて、俺は救われた。
とうとう星を、つかんだのだ。
「冴子……ありがとう」
暗い闇の中でそう叫ぶと、一瞬冴子の笑顔が見えた気がした。