あなたのギャップにやられています

「それぞれ得意な人が得意なものを作って持ち寄って、ここで売ってもらうというシステム。
子供服にアクセサリーに、手作り石鹸なんかもあるな」

「それに絵もね。
いらっしゃい。珍しいね、木崎君が女の子連れてくるなんて」

「えぇ。僕の彼女です」

「えっ……あっ、木崎です」


突然彼女だなんて紹介されて、勢いに任せて挨拶してしまう。


「木崎?」

「彼女も木崎なんですよ」

「へぇ、それはまた珍しい。
それじゃあ、結婚しても変わらないってことか」

「そうなんです。僕としては女の子の名字変えたかったんですけどね。
でも、彼女ならそんなことどうでもいいです」


いやいや。
今、さらっととんでもないこと言った気がするけど……。


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