あなたのギャップにやられています
「残念ながら、学生のころはトライアスロンしてたんだ」
「トライアスロンって、あの?」
「うん。その」
クスクス笑う彼に、驚きすぎて声も出なくなる。
だって、あの過酷なスポーツを彼がしていたなんて、誰が想像する?
たしか、泳いで走って自転車まで乗ってってやつだよね。
でも、だからこの筋肉って納得だ。
彼が連れてきてくれたのは路地裏にある小さなカフェレストラン。
"リアン"という名前はフランス語で「絆」を表すんだとか。
「わぁ、素敵」
まるで雑貨屋さんのように可愛らしい物がたくさん並んでいる。
「ここ、手作りのものを売ってるんだ。ほら、その一角」
彼が指差した先には、値札のついた手作り感たっぷりのものが置いてある。