あなたのギャップにやられています

それからふたりでいただいたランチは、チキンのドリアとほうれん草のサラダ。

ドリアにはシーフードとチキンがあって、「冴子は肉だよな」と木崎君に勝手に決められてしまった。

私が肉好きってバレてるの? 
なによりも肉! なんて、かわいくないのはわかってるけど、好きなもんはしょうがない。



「相変わらずガッツリ食べるね、冴子は」

「あっ……ごめん。おいしくってつい」


食欲モリモリの女なんて、きっとかわいくないに違いない。

だけど、木崎君がデザインに集中し始めたらそれを途切れさせたくなくて、いつも不規則になってしまうことの多い食事は、食べられる時に満足する量をになってしまっていた。

その癖は休みの日も抜けない。


< 90 / 672 >

この作品をシェア

pagetop