あなたのギャップにやられています

ずっと気になっていたお洒落な雑貨屋さんに入ると、木崎君はかごにあれこれ入れ始めた。


「これ、買うの?」

「うんうん。俺ん家、なんでも一人分しかないから。
ずっと冴子のことだけしか見てなかったから、他の女を家にあげたこともないし」

「え……」


なんて重い告白なのよ。
ちょっとうれしいけど。


彼の持っているかごは、色違いのマグカップふたつに、真っ白な大小のお皿をふたつずつ。グラスもお揃いでふたつ。
バスタオルも色違いで、今度は歯ブラシまで。


私のことだけ見ていたって……入社して三年、本当に彼女いなかったの?
まぁ確かにそんな素振りなかったけど、私が知らないだけで多分モテてたはずだ。



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