蕾は未だに咲かないⅠ
馬鹿か。あんなオンナに何を求めようってんだ。
「あの」
「ん?」
「あいつ、いつ居なくなるんですか。」
振り返った俺の目は冷たかっただろう。
輔さんは心底気に入ったようにからりと笑い、俺の肩に手を置いて小さく囁いた。
「もうじき居なくなるけど――消しても、いいよ。」
悪魔だ。
輔さんという悪魔と、鶴来さんという絶対的支配者に――俺は捕らわれているのだ。
逃げる術を、俺は知らない。