Chain~この想いは誰かに繋がっている~
案の定、あの人はいつもと同じ時間に、カウンターに現れた。

緊張しながらレジの前に立つ私に、ゆっくりと近づいてくる彼。


「…大人一枚。」

「はい。」

慣れたはずの会話が、なぜかぎこちない。

心なしか、指が震える。

「映梨子ちゃん。」

ふいに呼びかけられて、レジを打つ手が止まる。


「ごめん、俺……君の気持ちも考えずに、あんなことしてしまって。」

申し訳なさそうな表情を見せるあの人なんて、見たくない。

「いえ、私……」

気にしないで。

私が望んだことだから、そう言おうとした時だった。


「俺、今になって後悔してるんだ。それを君に謝りたくて。」


コウカイ シテイル……?


私の頭の思考回路、真っ白になった。
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