Chain~この想いは誰かに繋がっている~
「でね?コピーとる時でさえ、面倒くさいって顔しながら、ため息つくの。バイトの身分で、あり得なくない?」

彼女の話は、8割が愚痴。

俺より2歳年下なのに、会社では役職も持っているようで、かなりストレスが溜まっているようだ。


「取引先のお客様がみえても、知らぬ存ぜぬっていう態度。もう、何の為に雇ってるんだか。」

特に最近お気に召さないのは、入ったばかりの若いアルバイトの子らしい。

「まっ。仕事へのやる気があるんだったら、バイトの身に甘んじてないでしょう。そういう子だから、バイトなんですよ。」

下手に反論して、客とトラブルになることだけは、避けたい。

なにせ、週に4日も通ってくれる、常連中の常連だからな。


「そこなのよ!」

急にグラスをドンッと置いて、夏目さんは遠くをジッと見つめる。

「私はバイトですから~みたいな、ふにゃふにゃな態度!!『早くお金貯めて、今の彼氏と結婚するんですぅ~』って、うちは働きもしない奴に、給料払うくらい儲かってないっつうの!!」
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