Chain~この想いは誰かに繋がっている~
毎日、遅くまで仕事をして、その上大量のDVDを抱えて、自分が降りる駅でさえ通り過ぎてしまうくらいに、電車の中で寝入ってしまったこともあるよね。

なあ 東京に来て、本当に君は楽しかった?

少しでも夢は叶えられた?

ねえ、なんで田舎に帰ってしまったの?

もしかしたら、俺。

君に話しかけるの、遅すぎた?


彼女と話をしたこと、夢だって自分に言い聞かせたつもりなのに、頭の中は彼女との記憶でいっぱいだった。

そうだよ。

もっと早く、彼女に話しかけていれば、もしかしたら仲良くなって、この映画館にも二人で、来たのかもしれない。

彼女だって、田舎に帰らなくてもよかったのかもしれない。


そんなことを考えていたから、コメディ映画だって言うのに、涙が止まらなくなった。

拭っても拭っても、涙はこれでもか!と言うくらいに、流れ落ちる。

人生に“もしも”なんてあり得ない。

でも思ってしまう。

彼女との“もしも”のことを。
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