Scarly Rules

二つのイス



「…あ、あの。」

二人だけになった客間で
先に沈黙を破ったのは私。


「っ!…ぇと。どした?」

やや上擦ったような声でマサさんが返事をくれる。

「二人になっちゃいましたね。」

「そ…そぉだね。恭平の奴、ゆかちゃんを俺に預けてくるなんて。」

困ったような顔で俯くマサさん。

心なしか 顔も少し赤いような。

「あの…ご迷惑…でしたよね…?」

「へ⁉︎あ。いやいや。そうじゃないよ。そうじゃないんだけど…」

私の問いに
明らかに動揺しているマサさん。

なんだろう?


「マサさん?どうかしました?お熱とか…あります?体調とか…その…」

話している途中で マサさんは何かを決心したように立ち上がり 私のほうに歩いてきた。

「…マサさん?」

なんか目がマジだ。

ちょっと怖い。



「…ほんと困るよ。恭平のやつ。」


どうしよ。

急に低い声。

これ弱いんだよなぁ…
かっこいい…かも。


なーんて考えてたら
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