Scarly Rules
吹き抜ける風



(ピンポーン)


広い庭を一通り散歩し

屋敷の中に戻るやいなや

ジャストのタイミングでベルが鳴る。





(ガチャ…)

(コツっコツっ…コツっ)




「失礼致します、坊っちゃま。ご友人がおいででございますが…」

リビングの端、ドアの前で執事が伺いを立てる。

「あぁ?誰だよ。呼んでねぇぞ?」


ゆかとマサも互いに目を見合わせて首を捻る。


「はい、純也様が急においででして…」

「純也?なんだよ…。まぁいい、とりあえず通してやれ。」

「承知致しました。」




(ガチャ)

(コツっコツっ…)



純也…?なんだろうか急に。

打ち合わせは明日だ。
話したいことがあるならその時でもいいんじゃ…


そんなことを考えている間に



(ガチャリ)


「よぉ!」

執事に連れ添われ
純也は部屋に入ってきた。


「……。」


「……ん?どした?」

どした?じゃねぇよ、お前。


「…純也、お前こそどうしたんだよ。」

そもそも純也、俺の屋敷に入るのは初めてのはずだ。

門の前まではよく来てるらしいが
中には入れたことがない人間。


「いやぁ…恭平の家ってどんななのかなって、前から気になってたからさ。来てみたわけ。」

そりゃまぁ 気になるのは分かるし
来てみたくなる気持ちも分からんではない。

「けど、なんで今日?てかなんで先に連絡しないんだよ。」


「あー、アレだよ。サプライズ!的な?」

的な…って。お前なぁorz


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