Be yourself!

あんな怖い風貌してるんだから、やっぱり彼女も元ヤンなんだろうか。いや、その昔ヤクザから勧誘されそうになったって言ってたから、姐さんかもしれない……。


ひとしきり、太ももに和彫りを入れた姉さん風の女性を想像していると、

「でね、真生は超モテモテだけど秘密主義だから、ぶっちゃけ彼女がいるかどうかもわかんない」

銀二さんが真生に抱きついたまま、にやりといやらしい笑顔を浮かべた。



「――うるさいな」



真生は非常に面倒くさそうな表情で、銀二さんを押し返す。



「モテモテなんだ……」



そりゃそうだよね。黙ってれば天使みたいにきれいな顔をした男だ。

しかもバンドのボーカル……

モテないはずないよね。



思わずぽつりと口にしてしまっていた。



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