Be yourself!
ぎゃーんと叫ぶと、
「おーこわー。ごめんごめん」
全然悪そうに思ってなさそうな銀二さんは適当に謝り、死ぬほどどうでもよさそうにおにぎりをむしゃむしゃしている真生に視線を向けた。
(お前も少しはあせろ!)
「――でもまあ、やっぱり恋愛はミュージシャンには必要不可欠だよな。インスピレーションの源だよ」
そういう銀二さんはなんだかミュージシャン顔をしている。
そういうもんかな、と見守っていると、
「曲作ってるのは多聞だろ」
と、小次郎さんの突っ込みが入る。
「グッ……おっしゃる通りです」
銀二さんは唇をかみしめ、がっくりと肩を落とす。思わず笑ってしまった。