☆SUKI SAKE☆
胸も腕も痛すぎる。バカ!矢野。
なんで追ってこないんだよ?


あたしを手放すつもりないなんて言って結局手放してんじゃんか。




「ちょっと待って。しぃ、いっちゃんの話、聞いてあげて」




追ってあたしの手を掴んだのは愛衣。悔しいけど振り向くと呆然と立ち尽くす矢野の隣にミチル。



それがとてもお似合いであたしなんかより矢野にはミチルのが合ってるような気がした。




「何も聞きたくない。今日は洸と帰るね」




ねえ、洸。もしかしてあたしの思ってること当たってる?


ミチルが矢野を好きだって一瞬で気づいたあたしは勘が鋭かったりするのかな?



淋しそうにしてる愛衣の手をそっと離してあたしと洸は無言のまま遊園地を後にした。
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