想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
あたしは、とっさに携帯を耳に当てた。


「あ、いや、な、なんでも無いでし!」


「でし?」


〜ッッ!


あたしのバカ。


「いや、でしじゃなくて、ですね……あの、えと……さ、先程は、どうもでした!」


うわ! 


自分から話し持ちかけちゃったよ……。


「こちらこそ、どーもな!」


木下サン、怒ってる!?


「お前、今からこないだの公園の駐車場来い!」


「へ?」


や、無理でしょ!


無理無理!!


「へ?じゃない。すぐ来いよ!じゃな!」





切れちゃった。


「なんだって?」


あっけにとられ、携帯を見つめるあたしに、佐恵子はニヤニヤしながら聞いてきた。


「佐恵子ぉ〜!!嫌だぁ〜!!」


「何がよ?意味わかんないから。」


そりゃ、そうだよね。


「今すぐ来いって……。
何か、怒ってるっぽかったし。絶対、あたしがお姉ちゃんとの関係、気付いてた事バレてる〜!!」


あたしは佐恵子に泣き付いた。


「あら〜。ま、とにかく行くしか無いんじゃない?良い機会じゃん。ちゃんと、話してきな?」


「無理だって〜。」


「じゃ、あんたそれで明日会社行けるの?」


う……


それこそ、無理だぁ。


「い、行ってきます……。」


「よろしい。」







「ハァ〜……。じゃ、行くね。また、連絡する。」


「頑張ってね♪報告、待ってる♪」


何か佐恵子、楽しそうじゃない!?


佐恵子のバカ……。








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