想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
「……あのね、この前さ……木下サン、熱出しちゃって……」


「熱!?海が!?」



俯いてたお姉ちゃんは、パッっと驚きの表情で顔を上げた。


「え……あ、うん。

会社の近くで……倒れかけてるの、偶々あたしが見つけて……家まで送って、看病してたの……。」


あたしは、お姉ちゃんの顔を見ずに話した。


見れなかった……。



「え!?こないだ、星来……一晩かけて友達の看病してたって……

あれ、海の事だったの!?」


お姉ちゃんの声が、


だんだんと怒りを含んでいくのがわかる……。


ど、どうしよ……。



「う、うん……言わなくて、ごめんね?」


きっと、ちゃんと言って欲しかったって


思ってるよね……。




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