想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
「どうしたの?」


あたしはベッドに腰を下ろした。



「ん……あのね。」



お姉ちゃんは、気まずさを出してそう言いながら、鞄を漁り出した。


なんだろ……。



そして


「星来……、これ……。」


そう言って、お姉ちゃんが出した手には……





!!!!




木下サンの家で、熱冷ましに使った……


あたしのハンドタオル。



なんで……


お姉ちゃんが!?



「そ、それ……どしたの!?」


あたしの額には、うっすらと冷や汗。


なんで?


そんな言葉が、頭の中を駆け巡る。


どうしよう……。



「今日ね、海の家に……借りてたCDと合鍵を置きに行ったの。

そしたら……寝室に、これが有って……。」



寝室に置きっぱなしだったんだ……。


すっかり忘れてたッッ! 



どうすれば……


何て言えば良いの? 




あの日は……


“お姉ちゃんに知られたら”


何て、考えて無かった。



そんな理性保てて無かった。



夢中で求め合ってしまっていたから……。



木下サン……


どうすれば良いの?




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