俺様ヤンキーと平凡女子


聞き間違いじゃ…無いよね?


咲本凪裟の顔がいつもより真剣だし…。


って思ったのもつかの間、咲本凪裟はいつもの意地悪そうな顔に戻って


「って言ったらどー思う?」


そう言った。


ちょっとでも本気にしたあたしがバカだった。


「バカ」

「嬉しかったんだろ?」

「何が」

「俺が、可愛いって言ったこと」

「ハッ?違うに決まっ…」

「あら、凪裟じゃなぁい」


あたしの言葉は、女の人の声に掻き消された。


あたしが声のする方を向いてみると、そこには綺麗な女の人が立っていた。


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