俺様ヤンキーと平凡女子
「橘じゃねーか。お前、絡まれてんのか?」
俺達流に、橘に近づいてみた。
橘に絡んでいたのは全員で5人。
たったの5人だけど、真面目軍団にいる橘にとっては5人は多いはずだ。
橘をよくみると、女みたいな大きな目を潤ませている。
どんだけ弱いんだ、コイツ。
「お前誰だよ!?」
北中の不良グループのリーダーみたいなやつが、俺を睨みながら怒鳴る。
あー、うるせぇ。
飼い主になつかない犬よりうるさい。
鼓膜が破れたらどーしてくれるんだ?
「俺は咲本凪裟。つか、そいつ返してくんね?」
ポカンとしながら俺を見つめる橘。