俺様ヤンキーと平凡女子


「橘じゃねーか。お前、絡まれてんのか?」


俺達流に、橘に近づいてみた。


橘に絡んでいたのは全員で5人。


たったの5人だけど、真面目軍団にいる橘にとっては5人は多いはずだ。


橘をよくみると、女みたいな大きな目を潤ませている。


どんだけ弱いんだ、コイツ。


「お前誰だよ!?」


北中の不良グループのリーダーみたいなやつが、俺を睨みながら怒鳴る。


あー、うるせぇ。


飼い主になつかない犬よりうるさい。


鼓膜が破れたらどーしてくれるんだ?


「俺は咲本凪裟。つか、そいつ返してくんね?」


ポカンとしながら俺を見つめる橘。


< 150 / 203 >

この作品をシェア

pagetop