俺様ヤンキーと平凡女子
「そーだけどさぁ…」
ハッキリと答えを出さないあたしに呆れたのか咲本凪裟は「ふーん?」と言って、地べたに座るあたしの顔を覗きこんだ。
「な、何よ?」
「俺のこと嫌いなのか?」
は…い?
何でそこで、そんなこと聞かれないといけないのよ。
「き、嫌いじゃないよ」
〝好き〟の一言が出てこない。
「嫌いじゃなくて?」
咲本凪裟はあたしとの距離近づけて、ニヤニヤしながらあたしを見てくる。
ムカつくけど、怒れないあたしがいる…。
「嫌いじゃなくて…えと…。す、」
「す?」
「す…」
「す?」
「すき…
焼き」
あ、あたしのバカァァァァァ!
何でここで、〝すき焼き〟がでてくるのよ。
咲本凪裟も完全に、呆れちゃってるじゃない!