ひまわりに

Episode11『翔は臆病者だから』

夜、11時。
今日は、いろいろ大変だった。
そして今、
俺は後悔...ってゆうか、
自分の無力さに頭を抱えていた。

雷樹を泣かせない、
って決めたばっかりだったのに...
泣かれた。
しかも
『諦めなきゃ、いけないの?』
......だって。
俺、なんか言ったのかな...?

「はぁ。」

ため息が漏れる。
今、話しが噛み合ってない
感じかたすると。
俺が『あ』って言ったら、
アイツは『お』って捉える。ってとこ?

「はぁ......」

あぁ、なんか自信無くしてきた。
まぁ、元から自信無かったけど。

泣かれた時、どうして良いか
分からなくなる。
頭ん中、真っ白んなる。
だって、こうゆうの慣れてないし。
これは、涼の仕事だったから......。

ーピロ〜ン

ナーバスになっている俺の横で、
着信音が聞こえた。
「誰だ・・・よ。」
面倒だったが、手にとってみる。
・・・と!?メールじゃねぇ、電話?

切れたらまずいと思いつつも、
夜中に、眠いってゆうのに。
とか腹を立てたりする。

画面には『奈々』。

「も、しもし?」

『あ、アタシや!
 もぉ、早くででやぁ。』

「なんで電話なんだよ。
 11時過ぎてるし、
 メールでいいだろ・・・?」

『それがなぁ、
 今・・・ふぁぁ。眠いねん。』

「・・・・・・で?」

『声で話さんと、寝てまぅから。
 ・・・ふぁ、ムニャムニャ・・・。』

「すでに寝そうに
なってんじゃねえよ。」

耳元でまた、ふぁぁ。
っとアクビが聞こえる。

「で、なんの用だよ?」

『アンタ、今日の保健室で
 何があったん?』

「!?」

エスパーか、こいつ・・・。
まぁ、付き合いが長いこともあって。
こうゆう体験は結構あった。
奈々って勘、鋭すぎ。

『泣かれたん?』

また、ふぁ。っと聞こえた。
眠くなりながら、
人の核心つくんじゃねぇ!!

「なんで、解った?」

『ちょっとなぁ・・・。』

「顔に出てた・・・?」

『まぁ、そんなところ。』

「・・・嘘だろ。」

『・・・ん?』

「教えろって、
なんでわかった?」

『あ、明日な?』

「今教えろって。」

『今教えたら、
 アンタ保健室のこと。
 教えんで切るかも・・・。』

「はいはい、・・・わぁったよ。
 てめぇはこうゆうとこ
 ぬかりねぇよな?」

『まぁね?』

奈々が嬉しそうに笑った

俺は仕方なく、
今日の保健室でのこと・・・
雷樹が涼のことで悩んでること
涼が雷樹にパンを与えたこと
雷樹が泣きながら喜んだことを
話した。
もちろん、
俺が雷樹に話したことは
恥ずかしすぎて言えなかった。

『せやったかぁ。
 アンタも大変やなぁ?』

「だろ?」

『明日・・・ガンバにぇ・・・。』

「にぇ?」

『むにゅう・・・・・・。』

寝オチ?


俺は仕方なく電話を切った。
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