cushion(短編)
熊が泣いた…
いや、私の涙だ
私の涙が熊の瞳の近くに落ちて流れたから泣いたように見えたのだ

『大切なおまえの願いだ…
叶えてやろう…』

く…ま…?

目の前に現れたのは喋る熊

そう、あの…クッションの中にいた…

思い切り抱きつくと、暖かい熊が頭を撫でてくれた

「ありがとう…熊…大好き…」

少しだけ体を離して熊の顔を見ながら言った

最後に熊が私の頭を人なでして



私の首を絞めた



大好きなクッションの熊…
幸せな私

夢に見た死の世界

そこには大好きな熊がいた…

→あとがき
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