【完】結婚からはじまる恋《1》
神宮寺鑑三。


そう、体調不良で自宅療養中の社長の名前だ。


私がバイトを始めた頃には既に社長はオフィスにはいなかった。



「今までの無礼を許して下さい…」


「別に構わん…素性を黙っていた私が悪いんだ」


「…」




私は社長にずっと片恋の相手の副社長の話をしていた。



「一緒に副社長室に行こうか?深幸ちゃん」




「副社長室に!?」



私の声が裏返った。



社長は本気で私と副社長を結婚させる気ですか?


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