【完】結婚からはじまる恋《1》
「大体…俺とお前は今日が初めてで…キスした位で勝手に勘違いするな…携番は教えたけど…デートの約束なんてしてない」




「すいません」



彼女は瞳に雫を潤ませて俺に謝った。


女の涙は…最大の武器。

男を弱らせる。



「お前…じぃちゃんと何を話してた?」



「…色々と・・・」



「俺の話をしてたのか?」



「すいません…身の程知らずだってわかってます。でも、私…」



「んっ?」



彼女の瞳の雫は今にも落ちそうだった。


唇を噛み締めて、懸命に堪える。
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