ペテン死のオーケストラ
マルメロは自分磨きにも余念はありません。

自室では常に鏡の前で、笑い方、歩き方、座り方…、全てを練習します。

優雅な大人の女性を意識し、凛々しさも感じさせるように練習をします。

「良い女は強さもあるのよ」

マルメロの歳には似合わない仕草を身につけていきました。

頭の中は、豪華絢爛なドレスを身にまとい歩いているのです。

また、話し方も勉強しました。

母親に「気持ち悪い」と、言われても気にしません。

優雅で凛々しいマルメロ好みの女性になるため、必死に努力を続けます。

痛みゴワゴワした髪も、あえて長く伸ばすようにしました。
美しく結い上げるためにです。

しかし、マルメロの髪が伸びるのは遅く13才になってもゴワゴワと肩につくか、つかないかくらいなのです。

「爆発頭のマルメロ」

悪口を言われても、「馬鹿な奴ね」と鼻で笑います。

マルメロは、自分が特別だと信じています。
ですから、悪口を言う奴は「才能の全くない人間」と、思うようになっていました。

母親のことも、当然が如く「才能の全くない人間」と、決め付けていました。
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