ペテン死のオーケストラ
そんなサイネリアは帰宅を許されなかったのに、嫌われ者のマルメロが帰宅を許されたことに不信感を抱く者が大勢いました。

「王を脅した」

こんな事まで言われます。

「王は腰抜けだ」

悪口は王に対してまで始まってしまいます。

マルメロは王の悪い噂を聞いても知らぬ顔。

自分には関係のないことだと思っていたからです。

「王はマルメロに取り付かれている」

城の人々は、マルメロと王の関係を嫌悪しました。


そんなある日、マルメロの部屋に珍客が訪れます。

城に戻ってから、一度も顔を合わしたことのない人物。

サイネリアです。
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