ペテン死のオーケストラ
城中大騒ぎになります。

昨日まで元気だった王が、突然体調を壊したからです。

医者も原因が分からず、手の施しようがありません。

王は苦しそうに唸るばかり、高熱を出し苦しそうです。

原因不明の病に倒れた王を心配する声が城中に響き渡り大変な騒ぎの中、マルメロだけは冷静でした。

「ただの、疲れでしょう」

マルメロは涼しい顔で言います。

それに対してサイネリアは泣き叫び王を心配するのです。

「大変な事よ!王を救って!」

サイネリアは涙を流して訴えます。

そんな対照的な二人を見て、周りの人間は囁くのです。

「マルメロの態度は何だ!?信じられない!」

「サイネリアは、優しい心の持ち主だ」

「マルメロが災いの種だ」

マルメロの悪評も手伝い、王が倒れた理由はマルメロにあるかのように言うのです。

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