ペテン死のオーケストラ
部屋に戻ったマルメロは、息があがっていました。
苛立ちすぎて、興奮状態なのです。

「とにかく、落ち着こう」

マルメロは、ベッドに腰掛け深呼吸をしました。

「私って、ダメね。あれくらいの事で動揺するだなんて。私の野望を叶えるには克服すべきだわ」

マルメロは落ち着きを取り戻し、鏡の前へ行きました。

「さぁ、どこをどうする?」

マルメロは自分の顔を見つめます。

釣り上がった目、薄い唇、ゴワゴワの髪…。

治したいところばかりです。

しかし、マルメロは「ふん!」と鏡に向かって言いました。

「この全てを魅力として、最大限にいかしてみせるわ。高貴な雰囲気を出すには、もってこいの顔立ちよ」

マルメロは背筋を伸ばし、見下すような目をしました。

釣り上がった目と薄い唇が、冷たさを増します。

マルメロは身長も高いため、威圧感が強く更に冷たく感じさせます。

マルメロは、そんな自分を完璧だと思いました。

あとは、髪がもう少し伸び美しく結い上げればマルメロの理想とする女性になれると思ったからです。

「そうよ。私は自信を持つべき人間。低俗な奴らには分からないでしょうがね」

マルメロの理想とする女性とは、冷たく凛々しく誰も近づけない雰囲気を持った女性です。
それに近づいている自分を嬉しく思い、また誇りにも思いました。

マルメロは、14才の誕生日に新たな自信を身につけたのです。
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